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2019

台風19号による冠水被害 後編(被害確認)R1200GS ADVENTURE

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前回の続きです。その後、なんとか落ち着いたのは深夜0時を廻った頃でした。翌朝は前夜の風雨が嘘のような快晴で、フェーン現象のせいか、早朝にもかかわらずまるで夏に戻ったような暑さです。そのような中、近所の皆さんは朝から家族総出で後片付けに追われていました。車内への浸水はかなりのものだったらしく、駐車場では被害を受けた車のオーナーの皆さんが洗面器などを使って何度も水を汲み出していました。後日、すべての車がレッカーされていってしまうことになるのですが、被害の大きさを見る限りでは廃車になったのではないかと思っています。これまでニュースなどでそういったシーンを見ることはありましたが、いざ目の前でそういった状況を目の当たりにするととても人ごととは思えません…。

そのような複雑な心中ではありますが、私もGSAを洗車しながら各部を確認していきます。初めにトップケース/パニア/タンクカバー/タンクバックなど外せるものは全て外しました。そして、車体各所の隙間に入り込んでいる泥や枯れ草を洗い流していきます。作業を始めたのが早朝だったことで車体にはまだ水分が残っていたため泥を比較的簡単に落とすことができたのは幸いでした。泥は乾燥したら落とすのが本当に厄介ですからね。車体に残っている痕跡を確認すると、水の影響を受けている可能性があるのは以下の部分であることがわかりました。
  • 左右シリンダー/イグニッションコイル廻り
  • セルスターター
  • バッテリー
  • フロント/リヤ ブレーキキャリパー
  • フロントアクスルベアリング
  • リヤスイングアーム/ファイナルドライブブーツ廻り
  • サイドスタンドスイッチなどエンジン下部のカプラー類
  • エキパイとマフラーの接合部
  • 空気圧モニター(エアモニ )のエアバルブ取り付けセンサー

ディーラーによる点検時の様子
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洗車後、エンジンをかけると無事始動できました。まずはひと安心です。(注意:冠水の影響を受けた可能性がある車輌は、シリンダーへの浸水があった場合にエンジンを痛めたり、カプラーからの発火の可能性があるため本来エンジンをかけるのはNGだそうです汗)渡河もこなすGSAにとって、マフラーエンドやエアクリーナー吸気口からの浸水がない限り水の影響はさほど心配ないのかもしれませんが、やはり経験豊富なプロに判断を委ねるのが一番と思い、マイスターが在籍する購入店に点検を依頼することにします。ここで一つ問題が。安全のために自走を控えた方が良い現状ではディーラーへの輸送手段は陸送しかないのですが、現時点では被害に関する対応方針が決定していないため、行政側にロードサービスの手配を依頼できないのです。そのため当面の費用負担は一旦自身で行い、後日請求するということになります。そこで今回は加入している任意保険のロードサービスを使うことにしました。

GSAは台風・洪水にも対応するフルカバーの車両保険に加入しています。今回は冠水の原因を作ったことを行政側が認めているため、加入している任意保険を使わずに済みそうですが、風水害のリスクに備えることの必要性を思い知らされました。プランを検討する際は「保険料も高額になるし、水害と無縁な都内でここまでリスクを考える必要はないかな」という気持ちが大きかったのですが、被害にかかる費用をすべて自分で負担した時を考えると、加入しておいて良かったと胸を撫で下ろしているところです。(ちなみに台風や洪水で車両保険を使った場合の翌年の保険料は、一般の事故の時のような3等級ダウンではなく、1等級ダウンとなるそうです)

その後、購入したディーラーに旅立って行ったGSAが約2週間の点検・整備を終えて戻ってきました。納車から1年経過したこともあり、同時に12ヶ月点検も受けたのですが、幸いなことに浸水による影響は認められなかったとのことでほっと胸を撫で下ろしました。購入店のサービスはいつも確実な整備をしてくれるのですが、今回も点検作業の様子を写真で残してくれて安心です。作業内容は以下のような内容です。

  • エンジン:オイル交換、プラグホールからの内視鏡型カメラによる点検
  • ブレーキ:前後キャリパー分解整備、前後ブレーキフルード交換
  • フロントアクスル:アクスルベアリング シール点検
  • リヤアクスル:デフオイル交換、ファイナルドライブ点検
  • その他:エアクリーナー吸気口、エキゾースト廻り点検、各部カプラー類点検

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一番心配していたのは水に浸かっていたシリンダーヘッドからの浸水でしたが、抜いたオイルの確認、内部の目視点検ともに問題はなかったとのこと。ブレーキフルードはじめ、水の混入の可能性がある油脂類は念のためすべて抜いて交換しましたが、大きな問題はなかったようです。その他、開口部からの水の侵入や電装系の点検もクリアでしたが、唯一リヤのスイングアーム内に水が溜まっていたため水抜きが必要でした。(構造上密閉されていないためブーツの隙間から水が入るようです)GSAがオフロードに強いバイクということもありますが、比較的短時間で水中から救出できたことが良かったのかもしれません。ちなみに今回かかった費用は12ヶ月点検と浸水点検を合わせて約¥90,000です。かなり高いとは思いますが安心を買っていると思えば個人的には納得できる金額です。冠水被害の報告はこれで一旦終了ですが、来月被害に対しての補償交渉が予定されています。もし、内容を披露できる場合はその時のエピソードを後日談として報告したいと思います。9月から週末の度に悪天候に見舞われたこともあって、今年はツーリングシーズンにほとんど走れていませんでしたが、これから残り少ない秋を満喫したいと思います。

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Tag:R1200GSADVENTUREプレミアムライン台風19号

2 Comments

通勤快速  

祝 復活!

こんにちは。
水害からの復活、おめでとうございます。
早い対処と、GSの強さと、ディーラーのチカラと…

急に寒くなりましたが、晩秋を楽しみましょう!

私はこちらを拝見して、初めてユーロネットダイレクトを使って、ジャケットを昨日、ポチッとしました。
関税とかにドキドキです…

2019/11/21 (Thu) 18:45 | EDIT | REPLY |   

Graphite One  

To 通勤快速さん

コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ありません!

せっかく戻ってきたGSですが、水抜きしたファイナルドライブ部のブーツの不具合のために再修理になったり、週末の度に悪天候に見舞われる、私の定番ツーリングコースでもある神奈川から山中湖に抜ける「どうしみち」が台風19号影響で崩落している、などもあって、戻ってきてから本格的なツーリングに行けていません。

ユーロネットダイレクトでポチってしまわれたんですね笑。海外通販は一般メーカーの製品ならドイツのmotoin、FC-MotoなどがDHL配送で早く安心ですが、BMW純正品は扱いがないのが難点です。関税は届くまでドキドキですね。昨年秋にラリースーツ上下を頼んだ時は関税は¥15,000位でした。高いと思いますが、それでも国内の正規ルートで買うよりは安かったです。Black Fridayも始まりますので、今週の海外通販は要チェックかもしれませんね。

2019/11/26 (Tue) 14:53 | EDIT | REPLY |   

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